すたぶろ

だから,アニメは楽しい.スタジオゴルゴンゾーラ制作部公式ブログです.

アニメを作る! 撮影編

どうも、撮影担当の三浦です。ついに私の本番がやってきたのでつらつらやっていきたいと思いまーす。 ちなみに、先に言い訳をしておきましょう。おそらくこのページは重いです。というか重くなる予定です。でも自重しませんのでよろしくお願いしまぁす! まず、「撮影」という仕事とはなんぞやということですがこれはその名前の通りということになります。 昔はアニメーションといえば直接「紙(正確にはセルという半透明のフィルム)」に絵をかき、色を付け、それをカメラで直接撮影しフィルムに現像していました。

こーいうの 引用:http://jp.freepik.com/free-photo/cinema-film-2_42830.htm

これらの過程がデジタルに置き換わった今も作業内容自体は変わらないので「撮影」と今なお呼ばれています。 今も昔もアニメの素材はたくさんの絵と音です。一覧表示すると下の画像のような感じです。 とても見づらいですし、そもそも動画になっていませんよね?

撮影とはそれらを一つにまとめる仕事なのです。 ※音に関しては正確を期すると撮影以後にさらに工程が存在します。後日同シリーズ参照!? まあ、これでもまだわかりづらいかと思います。はやく、目視でわかりやすくを見せろと。さっそく上記の素材を合成しました。

かわいく動いていますねー! 私が右下の隅っこにおいたタブレットの画面もいいアクセントを・・・なんでもありません。 しかし、目ざといみなさんであればすでにお気づきでありましょう。 「あれ・・・?なんかあっさりしてね?」 はい、その通りです。実はこの動画はまだ撮影の工程における序の口が終わったにすぎません。 素材をひとまとめにする以外に撮影というのはだいたい以下のようなことをやっています。 ・エフェクトワーク:エフェクトを追加し、場面に臨場感を与える ・ライティング:光源を意識し、場面にリアリティを与える ・セル調整:ほほのぼかしや肌にグロー効果を加える ・色調整:人物、背景間等で色味が合わない場合、合うように調整する ・テクスチャ貼りこみ:人物、背景以外で追加したい素材を合成する 実は撮影には「素材をまとめる」ほかに演出方針に従って「場面を作る」という仕事もあるのです。 個人的にではありますが、私はエフェクトワークはあまりしておらず、もっぱら「ライティング」「セル調整」「色調整」「テクスチャ貼りこみ」を行うのでそれらについて解説いたしましょう。 まず、ライティングですが・・・これは「光 ⇔ Light」というのに由来している作業です。 このカットでは登場人物「ユニ」ちゃんのこちらから見て左側から窓などがあり光が入ってくると(私が。)想定しています。

三浦式メソッドで図解すると、こうだ ちなみにティーは机から見て右らへんにおられます

こうした、入射光、また入射光からくる明暗差を作るためにこんな画像を作って・・・

これは入射光用

合成をします。シンプルですが大変効果が高く画面がのっぺりしなくなります。 森の奥でもっとやっていれば・・・なんでもない。

あれをこうしてああしてこうじゃ

人物セルのこちらからみて右側にある「カゲ」にリアリティや画面全体の空気感を与えることができるのです。 次にセル調整ですが、これは前回の田野君の美術編でも一端がふれられています。 ずばり、ディフュージョン 「(引用初め)このあとの撮影では「DF(ディフュージョンフィルタ)」という処理をセルにかけます.これは明るい色だけを「飛ばす」効果処理です.この効果をかけることを前提に「明るい色」と「暗い色」のメリハリをつけていきます.(引用終わり)」 このディフュージョンを行うと、明暗色間での調和をとることができるのですが「明るい色」を突出して飛ばすという処理のメカニズムから人物の「主線」のくどさを軽減することができます。

左がノーマルで右がデフュージョン後です。効果がわかるのではないでしょうか? 同時に、セル全体の調整を行います。例えば、下画像のようなジャギとりをしたり・・・

↑ジャギとり前 ↓ジャギとり後

ほほにぼかしをかけたり・・・

肌にグローをかけます。このカットではちょっとわかりづらいので「アイカ」ちゃんにご足労願うことにします。

左:DF後のアイカちん 右:DF+肌グロー

ちなみにグローはディフュージョンと比較して、すべての色を飛ばす効果になります(肌紙服エトセトラ…)。ただすべての色が飛ばれても困るので肌色だけにかかるようにしてあります。 なんだかリッチな雰囲気になった気がしませんか?つややかでなんだかエろ・・・なんでもありません。 ここらへんでセル調整は終わります。私の独断と偏見でさらに光の照り返しや影が追加されることもあります。ただやるとファイルが重たくなるのと時間をとにかくとられるのでまずやられません。 というわけでお次は色調整。ちなみに私が勝手に名前を付けました。というかパクりました(※美術編参照)。 というのも、「なんか色あってなくね?」という田野監督の気づきであったり、私個人の判断でセルと背景の色がマッチしていないというときに調整を加えることがあり、なかなか重大な問題になることがあるので仕事としてでっち上げました。 まあまあ、具体例を見ていただきましょう!

BG色、調整前
BG色、調整後

個人の好みだオラとか言われちゃったらそれまでなのですが、下の画像は上と比べると色味に統一感があるのと、人物と背景との陰影の差が出たことで人物がすこし印象的に映るようになっています。 そもそも、ここは場面的にそう明るい時というわけでもないのです。 ちなみに、「ほほぼかし」は仕上げで、「BGの調整」は美術でできんじゃん!という指摘があるかもしれません。たしかに、作業量にかかわるので集中するのはよくないかもしれません。しかし、撮影で行う処理には他のパートにはない大きな利点があります。 それは元素材に対して一切の改変を加えないこと。 他の工程では紙に書き込むように常にデータを書き換えていく仕事になっていきます。

オン/オフ
ほんのり色が違うのがわかるかな・・・?
なお、AfterEffects論者には即座に看破されるエフェクトの模様・・・
というか私がほかの人が使ってるのを見てもわかるレベル

しかし、私の担当する撮影では元素材に対して、スイッチのオン/オフみたいな要領で改変を加えていきます。つまりいらなくなったら、あるいは変更をしたい場合のリセット/改変が極めて簡便なのです。 ・・・で唐突に申し訳ありません。実はテクスチャ貼りこみをぶっとばしてこのカットは完成しています。 本当は「ユニ」ちゃんが持っているファイルの表面に素材の貼りこみ指示があるのですがまだ完成できていないのでそこまで進んでいないのです。あなわびし。 ただ一応解説させていただきますと、こんなことをします。

この画像をほほぼかしのところにだけ「貼りこみ」ます。すると、こうじゃ。

かわいっ・・・い?いや・・・でもかわいくな・・・?いやでもかわいぃ・・・?

・・・ご安心ください、本番はこんな奇天烈じゃあありませんので! というわけで、つらつら2400字ほど書いてまりいましたこの撮影編。 ・ライティング:光源を意識し、場面にリアリティを与える ・セル調整:ほほのぼかしや肌にグロー効果を加える ・色調整:人物、背景間等で色味が合わない場合、合うように調整する ・テクスチャ貼りこみ:人物、背景以外で追加したい素材を合成する これらの解説を終えたところで、投げっぱなし感が半端ないですがそろそろ閉めさせていただこうと思います。 本当はもっと書けることがたくさんあるのですが(ここが苦労した、ここでさらにこうしてるなどなど)、あまり長くなってもいけませんし(もう遅い)細かなことは画面作りのための企業秘密ということでご容赦ください。 そんな、私のお詫びの気持ちを込めてこの記事の中で作業していたカットの動画を最後に終わりたいと思います! ライティングをした後に、人物右側にすこし影を足し、そこからさらに色の調整を2段階加えたり新たなぼかしや入射光を加えたり・・・(その過程書けやって?すみません)。全体の出来栄えは本編でのお楽しみ!

というわけで次回、アニメを作る!は総集編らしいです。なんだこれ! それではみなさんごきげんよう え、ページが重いって?聞こえないですね。

※動画の形式の都合上アップロードに大変時間がかかっています。 ブログの公開時点ではおそらく見れません。見れないよ?っていうのは不具合ではありません。マジ懺悔。 <特集 アニメを作る!>  第1回 原画編 http://blog.gorgonezola.com/2014/11/make-animation-1.html 第2回 取込み/原撮編 http://blog.gorgonezola.com/2014/11/make-animation-2.html 第3回 動画編 http://blog.gorgonezola.com/2014/11/make-animation-3.html 第4回 動画検査編 http://blog.gorgonezola.com/2014/12/make-animation-4.html 第5回 スキャン・仕上げ編(1/2) http://blog.gorgonezola.com/2014/12/make-animation-5.html 第6回 スキャン・仕上げ編(2/2) http://blog.gorgonezola.com/2014/12/make-animation-6.html 第7回 美術編 http://blog.gorgonezola.com/2014/12/make-animation-7.html

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