すたぶろ

だから,アニメは楽しい.スタジオゴルゴンゾーラ制作部公式ブログです.

新技術を求めて!3D制作ライン導入!

こんばんは,演出原画の田野です.

ところで本日のトップ絵ですが,驚きましたでしょうか? なんかすごく動く感じの絵が出来上がっています.

冬コミでの試験制作を終え, スタジオゴルゴンゾーラではまた技術設計に入っているところです. 今回の技術テーマは「3Dライン」です!

それではご紹介したいと思います.

今作「あいかの手帳」では,すべて手描きのアニメーションで構成していました.

冬コミで出しましたパイロット映像は, 全て「原動画/仕上げ」の2D制作工程で運用していました. 実際のアニメーション制作の主流になっているやりかたを, なんとか見よう見まねで習得しようとしたわけなのです.

1年前から制作を始めて,ようやくそれらしいアニメを作ることが叶いましたが, この2D制作工程には,ひとつ問題がありました.(ひとつではないか)

おもしろい顔の人も世の中にはいるものですね.

それは手間と時間がかかるという点です. もちろん上手くやれば時間を短縮できる部分は大いにあります. (実際のところ,前作「森の奥停留場」の制作工程よりも,今作「あいかの手帳」の制作工程のほうが圧倒的に早いスピードで制作が可能になっています)

僕は手描きのアニメーションのほうが,味があって好きだなと思っています. (コンピュータではまだまだ出せない絵というのはあるかもしれません)

ですが,少ない人数で制作を進めていますので, 作画だけにパワーが集中するとそれ以外何も出来なくなってしまうのです.

撮影の三浦さんは,前作から「3D技術導入調査」を進めていました.

スタジオゴルゴンゾーラの制作技術設計のスケジュールでは, あと数年後に3D技術導入を進めることになっていましたが.

ありましたよね. なんか「蒼き鋼のなんとか」とか「なんとか追放」とか. (三浦さんは「蒼き鋼のなんとか」のファンでしたので,その話をよく聞かされていました.原画を描いてる途中に

焦りました. 数年後,やっと2Dアニメが作れるようになったら,もう時代は3Dアニメになりました.というのは嫌ですよ? ということで,前作制作時点で導入調査を進めていました. (時代を先読みしたわけ)

でもまあ,2Dのノウハウが生かせないこと.

当たり前ですが,2Dの制作工程と3Dの制作工程は全く違います. 今まで頑張ってきたわずかばかりの技術が全く生かせないのは困ります.

また一からやるには,時間がなさ過ぎるのです. あと人もいないし.

そこで閃きました「Live2Dあるやん!」

昨日の記事でもありましたが, 3Dが駄目なら,その過渡期の代替技術として「Live2D」使えませんか? というのが1月のメインテーマなのです.

やると決めたら早いのがスタジオゴルゴンゾーラ. フットワークの早さを生かして,即座に技術更新を開始しました.

まずはデザインの更新です.

前作でざっくりだったデザインを,すべて更新しました. (ユニちゃんの前髪パッツン,他の人には不人気でした…ぼくは好きですが) これがお正月明けの1月4日です.

そしてテクスチャ作成にはいりました.

PhotoshopでつくったPSDファイルをインポートすることが出来るみたいですね. ぴっちりと並べるみたいなの,得意じゃないんです. PSDで作っておけば自動で配置してくれるので,最高です.

ここでは2Dアニメーションのセル技術がそのまま使えました. やっててよかったアニメーション.

そしてモデリングです.

Live2Dでも,モデルとデフォーマの設定は必須なのです. これがとっても時間がかかりました.

試験用のモデルを2体つくりましたが, ひとつあたりでだいたい2時間弱かかります. 慣れればもっと早くなるかもしれませんね.

それでです.僕がこうして苦労してモデルデータをつくっているのに.

ゲームやってるひとがいるんですよ.

ちなみに彼がプレイしているのは「ファンタシスターオンライン2」です. すっかりはまっちゃって.

誘ったのは僕たちなんですけどね,本当に取り返しのつかないことをしてしまった.

いつからか飾られるようになった,一言カレンダーです.

カット袋の上,サーバー管理用キーボードとともに安置されています. 「肉の味できまる」ですか.

なるほど.

動画の藤田さんの,今日のおなかです.

ちょっと成長してきたような,そんな気がします. ちなみに藤田さんは,モデル用のテクスチャのためのセルを描いています.

知的な生き物の価値は肉の味で決まりますからね,頑張ってください.

そうこうしているうちに,モデルデータの作成は進みました.

試しに動きをつけてみて,破綻したところを修正して,もういちど動きを見ての繰り返しです.気の遠くなるような作業でした.

こう考えると3Dの手間も2Dの手間も同じかもしれません. ですが,3Dの場合「後からここの演技を変更」ということが出来ます. これは画期的なことだと思います.

動きを変えるためには2D制作だと,カットを最初からやり直す必要がでてきます. それが3D制作だとわずかな手戻りで済むわけです.

これは新たな可能性だと思います.

スタジオゴルゴンゾーラでは3Dと2Dの共存をねらっています.

3D制作と2D制作の工程は全く別物と分かっていましたので, 3Dモデル用の「モデル袋」も新しく製作しました. 本気なのです.

2Dの柔軟性と,3Dの可能性を組み合わせれば よりよいアニメーションを作り出すことが出来ると信じています.

一度モデルデータを作ってしまえば,破綻しない範囲で自在に動きをつけられます.

しかも,なんだかそれっぽいですよね. ぱっと見で静止状態だと区別がつきません.

今日完成した試験用のモデルデータを動かしてみました.

動画部の見解では「動きが滑らかすぎる」「口パクは要改善」というものでした. 仕上げ部は「楽で良いね」 撮影部は今日は不在でした(あとで聞いてみます)

冒頭のものは,動きをカクつかせたものです. まだアニメらしさを追求して,技術更新を続けていきます.

さて.

音楽の中沢さんから大ニュースがあります!

「あいかの手帳」パイロットフィルムに収録されていたBGMですが, なんと各種ストアで配信開始です!

あいつなず(iTunes Store

ままぞんとか.(Amazon Musics)

むじっく(music.jp)

あとは「Music Unlimited」「Spotify」「うたパス」などの定額配信サービス. 「Moraストア」「LISMO STORE」「dミュージックストア」「レコチョク」などでも配信しています.

ぜひ買って聴いてみてくださいね! 今後も制作部では,作品中の音楽の配信を進めていこうとおもいます. (販売利益は今作の制作予算になります)

そういえば,作中の音楽はどうやって作っているんですか?

魂のソウルを聴くんだ(中澤談)

なるほど.

みなさんがあっと驚くような,作品づくりを目指して スタジオゴルゴンゾーラ制作部では,今後も技術更新を続けていきます.

最後に試験モデルデータの最初のバージョンを載せておきます. 明日はお休みですので,また火曜日頑張ります.

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