すたぶろ

だから,アニメは楽しい.スタジオゴルゴンゾーラ制作部公式ブログです.

【特集:制作ライン試験!③】ポージング・画面作り編

タイトル今日は「ポージング・画面作り」についてです.

こんばんは,動画の田野です. 先日の記事で,ベースリグについてお伝えしましたが,今日はその仮リグを使って画面構成を作っていく様子をご紹介したいと思います.

画面構成は,動画の前段階の作業で,動きを付ける前にポーズやモデルの細部,カメラやライトを調整しておくものです. 完成映像に近い形に準備しておくことで,その後の動画作業をスムースにするという役割があります.

余談ですが,試験出し用のカットは日曜日に出来上がっていたのですが,そんなに出来が良くなかったので新しく作り直しました.新規で画面構成を作るのに,1時間少しかかっています.

<特集: 制作ライン試験!> (6月20日)概要・予告 (6月21日)ベースリグ/カスタムボーン編 (6月22日)ポージング/画面作り編【今日】 (6月23日)画面効果・撮影編 (6月24日)仕上げ編 (6月25日)美術・作画修正編

ラフコンテの抜粋今回は,手元にあったラフコンテ(過去記事)の画面構成を使います.

結構上手く書けていますね. モデルは一応の最新版を使います.最近,モデルファイルが乱立していて,どれが最新版かよく分からないんですよね.

多分これだろうと目星を付けたファイルを開きます(日付検索をしているので安心です)

多分これだろう多分これだ.

まず一通り,コントローラが正常にリンクされているかを調べていきます. とは言っても,一つずつ動かしていくだけなので,簡単です.

この作業は忘れがちですが,作業を始める前に確認をしておいた方が無難です. 割と設定忘れがありますので,ポーズを付けている途中で「なんだこれ!」と気がついて後の祭り,という展開を防ぐ為です.

ワイヤリング中瞳のコントローラ設定が不完全でしたので,この段階でワイヤリングします.

本当は,全てのコントローラがまともに操作できる状態で渡してほしいのですが,毎度ここのワイヤリング(関連づけ)がされていません.

ここでファイルを修正しても,それがマスターのファイルに反映されないのが悩みです. まあリグの担当者が毎回修正せずにほったらかしているからなんですがね.

切れそうなウィンティ

キレそう

髪の毛絵コンテの画面構成では,髪がなびいていましたので早速髪の形を整えます.

この段階でIKは入っていませんので,一つずつボーンを回しつつ形を変えていきます. 今まではHIソルバが入っていましたが,スプラインIKを刺していく計画らしいですね.IKがあるか無いかで,設定のしやすさが変わってきますので,期待が高まります.

僕ぐらいになってくると,IK無くても大丈夫ですけどね. プロですから.

フィギュアモードフィギュアモードでは,キーを設定することが出来ません(ん?)

しまった,フィギュアモードのままBipedを操作しようとしてしまった. 「オートキーを有効にしてなかった!ポーズ消えた!」というミスの次に,よくやりがちなミスです.

恥ずかしいので気をつけましょう.

頭の配置頭の方向を変えて,少しうつむき気味にしました.

まゆげがよく見えるように,前髪の配置も整えています. この状態でも割と完成度が高い気がしますので,ここでモーフを設定して表情を作ろうと思います.

表情修正6種類ぐらいのモーフをブレンドして(爽健美茶かな?),表情を作ります.

我ながら,良い表情に仕上げられました. 眼の感じ,眉の位置が特に絶妙ですね.ブレンドのパーセント一桁単位で調整しましたので,完璧です.

とはいえ,モーフブレンドだけでこの表情を作ったわけではありません.

眼のテクスチャ調整瞳のサイズが,左右で異なることが分かります.

デフォルトの瞳サイズを使うと,白眼の面積が小さすぎて,なにか違和感のある印象がでてきます. 正面から見ると変ですが,カメラは横からですので,画面に写らない部分は無視して進めていきます.

こっちみてるねなにか,こちらを向いているような,バランスの悪いポーズです.

絵コンテでは明らかに前を向いていますので,上画像のようにならないため,テクスチャを変更したわけです. このほかにも,モーフターゲットがおかしいようならその都度修正します.

試しにレンダリングしてみましょうか.

腕が変ですね一見良いように思えますが,下の方を見てください.

腕の線がおかしな事になっていますね. これは修正しておきましょう.

スキン修正腕のスキンウェイトを少し書き換えて,腕の形を整えました.

どのようなポーズをとっても,モデルが破綻しないのがベストですが,なかなかそうはいきません.そういった部分は,画面構成の際に修正して対応します.

このように,ただボーンを操作してポーズを作ることだけが,画面構成ではないことが分かります.ワイヤリングは置いておいて(これはリグの怠慢です)テクスチャーや,マテリアルも画面構成の段階で修正します.

ポージング画面外なので直立でも良かったのですが,ここは気分でポーズも設定します.

芝生に座った状態で本を読んでいる設定なので,なんとなくそのイメージに近づけます. Bipedの操作法は説明するまでもないですが,半分だけ設定すればもう半分にミラー出来るのは素晴らしいですね.

ただ,これだけだと左右対称で面白くない画面になりますので,少し手を加えます.

左右で配置をずらす腕や肩の配置を,左右でずらします.

ほとんど意味の無い調整ですが,人間が動くに際して左右対称であることはまず無いので,ここはこだわります. まあ画面外なんですけどね.

ステージング形が整いましたので,カメラやライトの位置を調整します.

デフォルトのライトなどは,真正面からの絵に対応して配置されていますので,ここで適当な位置に移動させます. 影の出方などは,都度レンダリングして確認します.

もちろん,セルを出した後,仕上げでも修正することが出来ますが,動画で対応できる事はできる限り対応しておきます. なにせ仕上げは人力ですからね,調子に乗ってると追い込まれます(スケジュール的に)

画面構成最後に,ビューポートの設定を調整します.

大抵一つのビューポートを最大化して使っているのですが,画面構成の後,動画の担当者にファイルを渡しますので,ビューポートもしっかりと設定します.

設定といっても,画面フレーム出したりするだけなんですがね. 意外と大事です.

ちょっと修正最後に気になった部分を少し修正します.

途中まで完璧だと思っていても,作り込むうちに不満が出てきます. 最後にそれらを修正して,ようやく画面構成はおしまいです.

真面目にやると1時間以上かかる作業なので,割と大変です. (不真面目にやるとすぐに終わりますが,そういったファイルは大抵酷いことになっています

0622_S1C001フレーム1試験書き出し試しにセルを書き出してみました.

一見まともに見えますが,不要な部分に線がでていたり,髪の毛先が丸まっていたりしています.ですがここから先は,仕上げ・撮影の出番です.

前作までの2D制作と同様に,書き出したセルは仕上げで修正していきます. また特殊効果も仕上げ主導で書き込みます. そして撮影へ行き着くわけですね.

これなんだけどいままでの内容が画面構成のお仕事です.

2D制作でのレイアウトとは,また違った内容でした. イメージとしては,3Dモデルを使って「絵を作る」という感じでしょうか. 割と楽しいですよ.

さて,次回は撮影編です(仕上げ編は次々回ですね) お楽しみに! (三浦さんの書く記事なのだから,きっと大変に面白いのであろう)

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